SEになって間もないころ、作った資料をレビューに出すと、内容だけでなくフォントや文字サイズ、罫線といった部分まで指摘されることがありました。
これからSEになる人や、初めて設計書などのレビューを受ける人の中には、
「そんな細かいところまで見るの?」
と思う人もいるかもしれません。
私も新人時代にはレビューを受ける側でしたが、その後は後輩が作った資料や成果物をレビューする側も経験しました。
そこで感じたのが、1年目と2~3年目では、レビューで指摘する内容が少しずつ変わっていくということです。
1年目はまず見た目や資料としての基本的な部分。
経験を積んでくると、それだけでなく専門的な内容についての指摘も増えていきました。
この記事では、私がレビューを受けた経験と、後輩をレビューした経験の両方から、SEのレビューではどのようなところを見られるのかを説明します。
なお、レビューの方法や基準は会社やプロジェクトによって異なります。ここで紹介するのは、私が業務システム開発の現場で経験した内容です。
SEのレビューとは何をするものなのか
SEの仕事では、設計書や各種資料などを作成したあと、そのまま完成とするのではなく、別の人に内容を確認してもらうことがあります。
これがレビューです。
レビューでは、内容が正しいかだけを見るとは限りません。
たとえば、
- 必要な内容が書かれているか
- 内容に矛盾がないか
- 読んだ人が理解できる表現になっているか
- 文書として統一されているか
といった複数の観点から成果物を確認します。
IPA「続 定量的品質予測のススメ」の「1.3 設計レビューの基本的な考え方」でも、文章を確認する例として、内容だけでなく文法、用語、前後のつながり、文体の統一性など、複数の観点からレビューすることが説明されています。
レビューというと「間違いを探す作業」というイメージを持つかもしれませんが、成果物の品質を高めるための確認工程と考えると分かりやすいと思います。
新人時代はフォントや文字サイズ、罫線まで指摘された
私が新人だったころ、資料や成果物のレビューでは、内容以前に基本的な部分を指摘されることがありました。
たとえば、
フォント。
文字サイズ。
罫線。
といった部分です。
一見すると、システムの設計内容とは直接関係がなさそうに見えます。
しかし、仕事で作る資料は、自分だけが読めればよいものではありません。
同じ資料の中でフォントや文字サイズがばらばらだったり、表の作り方が統一されていなかったりすると、読む側にとって分かりにくい資料になります。
また、プロジェクトで資料の形式が決められている場合は、それに合わせる必要もあります。
新人時代の私は、まずこうした成果物としての基本的な部分から指摘を受けていました。
見た目をそろえることも成果物の品質の一つだった
フォントや罫線というと、「内容さえ正しければどうでもいいのでは」と思うかもしれません。
もちろん、設計内容が正しいことは重要です。
ただ、業務で使用する成果物では、読みやすさや統一性も無視できません。
同じ意味の見出しなのに文字サイズが違う。
同じ種類の表なのに罫線の使い方が違う。
資料によって表記方法がばらばらになっている。
こうした状態が増えると、読む人が「違いに意味があるのか」と迷う原因にもなります。
資料の見た目をそろえることは、単なる飾りではなく、読み手が迷いにくくするための一つの要素でもあります。
ただし、どのフォントを使うか、どのように表を作るかといったルールは、会社やプロジェクトによって異なります。
重要なのは、特定の形式そのものではなく、その現場で決められたルールに沿って、読みやすく統一された成果物を作ることだと思います。
後輩の成果物をレビューする側も経験した
新人時代はレビューで指摘される側でしたが、その後は後輩が作った資料や成果物をレビューする側にもなりました。
レビューする側になって感じたのは、相手の経験によって見る部分が変わるということでした。
私の場合、1年目の後輩と、2~3年目の後輩では、指摘する内容が同じではありませんでした。
1年目では、まず資料として基本的な部分を見ることが多かったです。
一方、経験を積んだ2~3年目になると、見た目だけではなく、より専門的な部分について指摘する機会が増えていきました。
これは、年数だけで機械的に判断していたという意味ではありません。
私が実際に後輩の成果物を見ていた中で感じた傾向です。
1年目はまず基本的な部分を見ることが多かった
1年目の後輩を見るときは、まず成果物を一定の形で作れているかという基本的な部分を見ることが多くありました。
新人時代の私自身が指摘されたのと同じように、フォントや文字サイズ、罫線など、資料としての見た目もその一つです。
最初から専門的な内容だけを見るのではなく、まず仕事で使う成果物として形を整える。
そうした基本部分を身につけてもらう段階だったと感じています。
2~3年目になると専門的な指摘が増えていった
後輩が2~3年目になると、レビューで見る内容も少し変わりました。
資料の見た目や基本的な作りだけでなく、専門的な部分について指摘することが増えていきました。
ここで重要なのは、
「1年目は見た目だけ」
「3年目になれば専門的な内容だけ」
ときれいに分かれるわけではないことです。
経験や担当する仕事によっても変わります。
ただ、私が後輩を見ていた経験では、基本的な部分がある程度できるようになるにつれて、レビューで求める内容も少しずつ変わっていきました。
新人のころと同じところだけを確認し続けるのではなく、その人の経験に応じて、より内容面を見る割合が増えていったという感覚です。
レビューで指摘されることを「細かい」とだけ考えない
新人時代にフォントや罫線を指摘されると、内容と関係のない細かな指摘に見えるかもしれません。
ただ、レビューで見られるポイントは、そうした基本的な部分だけではありません。
基本が身についてくれば、内容や専門的な部分について求められることも増えていきます。
レビューは単にミスを見つけるためだけのものではなく、成果物の質を上げるために行うものです。
指摘された内容を見ることで、**「今の自分には何が求められているのか」**を知るきっかけにもなると思います。
まとめ:レビューで見られるところは経験とともに変わった
私は新人時代、資料や成果物のレビューで、フォント、文字サイズ、罫線といった基本的な部分も指摘されました。
その後、自分が後輩をレビューする側になると、1年目ではまずそうした基本的な部分を見ることが多く、2~3年目になるにつれて専門的な内容についての指摘が増えていきました。
もちろん、すべてのSEやプロジェクトで同じように変化するわけではありません。
ただ、私自身がレビューを受ける側とレビューする側の両方を経験して感じたのは、レビューで求められることも、経験とともに少しずつ変わっていくということです。
新人のころに細かく見える指摘を受けたとしても、それは成果物を作るための基本を身につける過程の一つかもしれません。
そして基本を身につけた先では、内容についてより深く考えることが求められるようになる。
レビューは、その変化が分かりやすく表れる仕事の一つだったと感じています。

